消化器内科医の備忘録

消化器内科医が日々の勉強と日常を綴ります

2022年度胃腸科専門医試験 再現

自力で思い出した分を問題復元として載せておきます。選択肢を覚えていないものが多いですが、ぜひ来年の参考にして下さい。

受験者で問題記憶ある方いらっしゃいましたらぜひコメントに追記をお願いいたします。

食道

食道癌の診断と治療で正しいもの

 粘膜筋板から400μmはSM1と判定される

 頸部食道癌にPDTは良い適応

 全周性食道癌へのESDで狭窄率が高い

 食道学会では拡大内視鏡の血管はtype AからtypeDの4つに分類

バレット食道癌について正しいもの

 肥満はリスク

 本邦は著増

 高齢者は少ない

 男性に多い

食道破裂の症状を3つ

 嘔吐

 咳嗽

 胸痛

 皮下気腫

 胸焼け

アカラシアの治療で誤っているもの

 ESD

 バルーン拡張

 POEM

 CaB内服

アカラシアの病歴とtype3の内圧画像提示あり。疾患で正しいのはどれか。

 食道蠕動波の亢進

 下部食道括約筋圧の上昇

好酸球性食道炎で誤っているもの

 女性に多い

胸やけを生じないもの

 萎縮性胃炎

胃癌の診断と治療で正しいもの

 粘膜筋板から400μmはsm1と判定

 30mmの未分化型で治癒判断

 拡大内視鏡で微細構造と微細血管が診断に有用

組み合わせで誤っているもの

 未分化型と腸上皮化生

切除不能胃癌のニボルマブで誤っているもの

 三次治療以降に使う

 PS悪い時はBSCを考慮する

 ステロイドの前投与を行う

 免疫過剰の副反応がある

健診でピロリ抗体陽性(12位)、EGDはできればやりたくないが除菌希望の患者の方針をどうするか。

 そのまま除菌療法

 MDLで確認後に除菌療法

 EGDしてC1、稜線状発赤、タコイボびらんあり。UBTで確認

 EGDしてC1、稜線状発赤、タコイボびらんあり。除菌。

AIG偽陰性になりやすい検査はどれか。

 生検培養

 UBT

 便中抗原

 血清抗体

治療の組み合わせで正しいものはどれか

 胃底腺ポリープーPPI

 MALTリンパ腫ーピロリ菌除菌

 胃癌ー腹腔鏡下胃局所切除

ピロリ菌感染していない画像を選べ。

 胃角部でRAC陽性の画像

 胃体部大弯の画像など

胃のNETで正しいものはどれか。

 多発することが多い

 A型胃炎はrindi1

 同じサイズの胃がんと比べてLN転移が少ない

対策型胃癌検診について正しいもの

 40歳以上が対象

 全ての画像がダブルチェックされる

 ピロリ菌除菌後も対象になる

 MDLは立位充盈像も含まれる

FDについて。

 器質的疾患がない。

 腸疾患である。

 

 

小腸

転移性小腸腫瘍の原発で最も頻度が高いのはどれか。

 肺癌

 腎臓

 食道癌

 前立腺

非特異性多発性小腸潰瘍症

 男性が多い

 ステロイドが無効である

 慢性貧血の原因となる

 ロイコトリエン代謝異常がある

小腸で正しいもの

 絨毛がない、

 空腸よりも回腸にひだが多い

 空腸よりも回腸にパイエル板が少ない

 空腸と回腸の境界にトライツ靭帯がある

 胆汁酸とvitb12は回腸末端で吸収

カプセル内視鏡について

 ペースメーカーは禁忌である

 2週間以上排出されないものが滞留

 パテンシーで変形あるが30時間以内に排泄されたためカプセル内視鏡は施行可能である

嘔吐を来す疾患で緊急手術が必要なものはどれか

 絞扼性イレウス

大腸

大腸病変と病理の組み合わせで正しいもの

 MPSー繊維筋症

 Collagenous colitisー膠原線維帯

 ベーチェット

 クローン病ー乾酪性肉芽腫

 腸結核ー非乾酪性肉芽腫

クローンに合併しない病変

 虹彩

 原発性硬化性胆管炎

骨盤底筋に含まれない筋肉

 腰方形筋

 外尿道括約筋

大腸ESDの適応となるのはどれか

 20mmでEMR困難な粘膜内癌

5cmの粘膜内癌の治療方針はどれか

 EMR

 ESD

 手術

食前に飲む便秘薬を2つ

 ルビプロスト

 エロビキシバット

 リナクロチド

好酸球性胃腸症で正しいもの

 大腸内視鏡だけでは診断困難

 ステロイドの治療効果悪い

 抗アレルギー薬の効果が高い

ポリポーシスで遺伝性ではないものはどれか

 FAP

 pーj

 クロンカイトカナダ

大腸画像が提示され、正しいものを2つ

 定期検査が必要

 大腸癌高リスク群である

 アスピリンの予防内服を行う

腸管膜付着側に潰瘍が出来る疾患はどれか

 潰瘍性大腸炎

 クローン病

 ベーチェット病

60歳代の大腸びまん性炎症の画像が提示されて、病理組織で見られるものはどれか

 形質細胞浸潤

 杯細胞の減少

 巨細胞封入体

ステロイド40mg.2wとレミケード2回試行し無効な病歴が提示。今後の方針で誤っているものは

 ステロイドを速やかに中止

 ステロイドを漸減しシクロスポリン投与。

 ステロイドを漸減し他のbioに切り替え

大腸憩室で誤っているものは。

 穿孔は右側に多い

 経過観察で良い

 欧米は右側、日本では左側に多い

大腸粘膜下病変(おそらく腸管気腫)の画像提示

 慢性呼吸器疾患患者に多い

 病変は粘膜下層に限局している

 遊離ガスは認めない

放射線性直腸炎について正しいもの

 早期は一過性である

 後期は1年後から増加する

 止血はエタノールが第一選択である

便潜血検査について正しいものはどれか

 EGDも必要

 陰性は右側結腸癌が多い

 食事制限が必要

リンチ症候群について正しいもの2つ

 常染色体潜性遺伝である

 大腸癌の予後は不良

 マイクロサテライト不安定を認める

 ミスマッチ修復遺伝子の異常

RomaIVに当てはまらないものはどれか

 排便頻度の変化が腹痛と関連する

 便形状の変化は腹痛と関連しない

その他

仮性憩室はどれか。2つ

 胃憩室

 十二指腸憩室

 結腸憩室

 Rokitansky憩室

消化管運動で正しいものはどれか

 内輪筋が発達して幽門になる

 筋層間にアウエルバッハ神経叢が存在する

 直腸が進展されて蠕動して排便が起こる

 S状結腸逆蠕動が水分吸収に役立つ

ガストリン高値にならない疾患はどれか

 萎縮性胃炎

 直腸NET

 Zollinger-Ellison症候群

胃酸分泌を抑制するホルモンはどれか

 ガストリン

 ヒスタミン

 ソマトスタチン

Clostridioides difficile腸炎の原因になる薬はどれか

 PPI

GISTで正しいものはどれか

 PETで集積がある

 スニチニブ抵抗例でトラスツズマブ

 小腸が最多

外科手術2時間前まで推奨されるものはどれか。2つ

 水

 アルコール

 炭水化物入り飲料

 食物繊維入りの飲料

 脂肪入りの飲料

胃腸科専門医 雑感

消化器病専門医、消化器内視鏡専門医試験を受ける方は多いと思うのですが

消化管学会の2022年度胃腸科専門医認定試験を自己研鑽として受験して参りました。

開催日:2022年7月3日(日)

試験時間:11:30開場、12:30着席、13時開始、90分

試験会場:ステーションコンファレンス東京

試験方式:筆記試験(マークシート方式)、50問

申し込み期間:2022年3月1日〜4月30日

試験資格:

日本内科学会、日本外科学会、日本病理学会、日本医学放射線学会、日本小児科学会、日本救急医学会いずれかの認定医または専門医

2013年以降の医師免許取得者:卒後6年以上(6年目は含まない)でかつ指導施設(暫定を含む)において常勤として1年以上勤務実績+専門医カリキュラム修了

2012年以前の医師免許取得者:指導施設認定期間内に週1日以上の研修実績

5年以内に教育講演会1回以上の参加

会場は東京駅日本橋口を出てすぐの会場でした。非常にアクセスが良かったです。

11:30からは会場入りして勉強が可能でした。ただ、お昼の時間にかかるので食事の時間は工夫したほうが良いですね。

90分間、50問で、13時35分〜14時20分までは試験終了後の退出が可能でした。

受験者は受験番号から200人前後でしょうか。

問題は5択選択で、消化器病と同様2つ選べ、3つ選べという設問もあり。

画像の問題は思ったより少なめでした。

学会公式の過去問集が出ていないので、どのように対策をすれば良いのかわかりませんでしたが。。。

難易度は、専門医らしい問題から国試に近いような単純な問題まで幅広い印象でした。

消化器病>内視鏡専門医試験の勉強をベースに、余裕があればイヤーノートやQBの消化管範囲で疫学と解剖を確認する形が良いかもしれません。

次のページに自力で思い出した分を問題復元として載せておきます。

消化器内科 Journal一覧

消化器内科専攻の場合に、論文作成や学会発表は避けて通れない大切な業績です。

消化器内科で話題に上りやすい雑誌をまとめておきます。

時間がある時にぜひクリックしてみてください。

おすすめありましたら是非コメントください。


Gut

https://gut.bmj.com

Gastroenterology

https://www.gastrojournal.org

American Journal of Gastroenterology

https://journals.lww.com/ajg/pages/default.aspx

Clinical Gastroenterology and Hepatology

https://www.cghjournal.org

Alimentary Pharmacology & Therapeutics

https://onlinelibrary.wiley.com/journal/13652036

Gastrointestinal endoscopy

https://www.giejournal.org

Endoscopy

https://endoscopy.thieme.com

 Journal of gastroenterology and hepatology

https://onlinelibrary.wiley.com/journal/14401746

Digestive Diseases and Sciences

https://link.springer.com/journal/10620

Digestive and Liver Disease

https://www.journals.elsevier.com/digestive-and-liver-disease

World journal of gastroenterology

https://www.wjgnet.com/1007-9327/

BMC Gastroenterology

https://bmcgastroenterol.biomedcentral.com

Neurogastroenterology & Motility

https://onlinelibrary.wiley.com/journal/13652982

Helicobacter

https://onlinelibrary.wiley.com/journal/15235378

Digestive endoscopy

https://onlinelibrary.wiley.com/journal/14431661

Journal of gastroenterology

https://www.springer.com/journal/535

Clinical Journal of Gastroenterology

https://www.springer.com/journal/12328

Digestion

https://www.karger.com/Journal/Home/223838

Gastric cancer

https://www.springer.com/journal/10120

Internal medicine

https://internmed.jp/